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論文

Determination of humic substances in deep groundwater from sedimentary formations by the carbon concentration-based DAX-8 resin isolation technique

寺島 元基; 遠藤 貴志*; 宮川 和也

Journal of Nuclear Science and Technology, 57(4), p.380 - 387, 2020/04

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.58(Nuclear Science & Technology)

Concentrations of humic substance (HS) in deep sedimentary groundwater were determined by the carbon concentration-based DAX-8 resin isolation technique. The groundwater samples were collected from test galleries at different depths in the Horonobe Underground Research Laboratory (URL) of Hokkaido, and two subsidence observation wells of Niigata in Japan. The analytical condition was optimized for the groundwater samples with a high salinity and a high concentration of DOM. The analytical results showed that the HS concentrations vary with the depth and the area. The HS proportions to DOM slightly varied with the depth. The regression analysis showed that the HS concentrations are positively correlated with the DOM concentrations. The low deviation of the HS proportions from the slope in the regression equation indicated that the slight variation of HS proportion can be trivial in the prediction of the concentration of HS. These results can provide a useful information on the HS concentration and its prediction from the DOM concentration in sedimentary groundwater.

論文

Characterization and thermodynamic study of humic acid in deep groundwater at Horonobe, Hokkaido, Japan

紀室 辰伍*; 桐島 陽*; 長尾 誠也*; 斎藤 拓巳*; 天野 由記; 宮川 和也; 秋山 大輔*; 佐藤 修彰*

Journal of Nuclear Science and Technology, 55(5), p.503 - 515, 2018/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:58.07(Nuclear Science & Technology)

高レベル放射性廃棄物から溶出した放射性核種が地下水中の天然有機物の一種である腐植物質と錯生成することで、放射性核種の移行が促進される可能性が指摘されており、腐植物質と金属イオンの錯生成を定量的に記述する試みがなされてきた。腐植物質は、組成不均質性を持つ高分子電解質であり、その性質は起源や履歴によって大きく異なる。本研究では、北海道幌延町の深度350m地下水中に溶存している腐植物質を抽出し、幌延腐植物質のプロトン化反応における反応機構を調べ、また、腐植物質の分子量および流体力学径を取得し、単純有機物やIHSSの標準腐植物質のそれらの結果と比較した。その結果、幌延の腐植物質は、表層の腐植物質に見られるような複雑な組成不均質性を持たない、より単純な構造を持ち、その反応メカニズムもより単純であることが分かった。本成果は、腐植物質の特性がその起源により大きく異なることを明らかにしたものであり、核種移行を考えるうえで、この点を考慮すべきであることを示唆している。

論文

Effects of weak organic acids on the size distribution and size-dependent metal binding of humic substances as studied by flow field-flow fractionation

山下 祐司*; 斉藤 拓巳

Journal of Environmental Chemical Engineering, 3(4), p.3024 - 3029, 2015/12

腐植物質はサイズや官能基組成の点で不均質な天然有機物であり、幅広い金属イオンと結合し、動態を変化させる。本研究では、ナノメートルスケールの連続的なサイズ分画が可能な流動場分画法を用いて、腐植物質のサイズ分布に与える有機酸の影響、および、腐植物質の分子サイズに依存した金属イオンの結合量の比較を行った。通常、pH緩衝剤としてもちいられるTris, MES, MOPSの3種類の有機酸存在下でのAldrichフミン酸(PAHA)のサイズ分布を調べた結果、Tris, MESでは、それぞれ、サイズの増加と減少が見られ、MOPSでは、有機酸無しの場合と同様のサイズが得られた。これらの結果は、TrisおよびMESとの相互作用により、PAHAのサイズが変化したことを示唆する。MOPS存在下で、PAHAに結合したユーロピウムとウランのサイズ分布を調べたところ、これらの金属イオンが特定の5nmのサイズを持つPAHA分子に高い親和性を示すことが分かった。

論文

Physicochemical and ion-binding properties of highly aliphatic humic substances extracted from deep sedimentary groundwater

斉藤 拓巳; 寺島 元基; 青柳 登; 長尾 誠也*; 藤嶽 暢英*; 大貫 敏彦

Environmental Science; Processes & Impacts, 17(8), p.1386 - 1395, 2015/08

 被引用回数:9 パーセンタイル:32.46(Chemistry, Analytical)

堆積岩系深部地下水より抽出された腐植物質は脂肪鎖および硫黄含有量に富み、サイズも小さく、表層環境由来の腐植物質とは異なっていた。一方、この深部地下水腐植物質のプロトン解離性官能基量は表層腐植物質と同程度であるにも関わらず、銅イオンの結合量は小さくなった。NICA-Donnanモデルの適用から、このような銅イオンの小さな結合量が、低pHにおいて、銅イオンが化学的に均質なカルボキシル基に単座配位で結合していることに起因することが示唆された。そして、pHの増加にともなって、結合モードから、単座から、カルボキシル基とアルコール性水酸基が関わる多座配位に変化することが分かった。本研究は、表層環境由来の腐植物質と比較して、深部地下水腐植の物理化学的性質やイオンとの反応性が異なることを示すものである。

論文

合成吸着樹脂を用いた地下水腐植物質の採取と特性分析

上田 正人; 坂本 義昭*

原子力バックエンド研究, 12(1-2), p.31 - 39, 2006/03

核種移行に影響を及ぼす可能性がある地下水中の溶存腐植物質を濃縮法により採取し、採取した腐植物質の特性を確認した事例はわが国にはほとんどない。われわれは、深度約50mの地点から地下水を採水し、地下水中の溶存腐植物質を合成吸着樹脂を用いた濃縮法等により採取した。採取した腐植物質及びNordic腐植物質,Aldrichフミン酸などの標準的な腐植物質並びに採水した地下水について種々の特性データを取得し、比較検討を行った。この結果、採取した腐植物質及び地下水の紫外可視・蛍光スペクトル及びフミン酸/フルボ酸濃度比には有意な差がなく、本実験で採用した溶存腐植物質の一連の採取法が有効であることが示唆された。また、採取したフルボ酸の分子量分布,三次元蛍光スペクトル,赤外スペクトル,NMRスペクトルなど、腐植物質固有の特性は標準腐植物質と異なっていたが、アメリシウムとの錯生成において、腐植物質の分子量によらず一様に錯体を生成する点で地下水腐植物質とNordic腐植物質は同様の特徴を示した。これらの結果は、わが国の地下水中の溶存腐植物質が、放射性核種との錯生成に関して、既往の多くの研究で用いられている水系腐植物質であるNordic腐植物質と類似の特性を持つ可能性を示唆している。

論文

Influence of humic substances on the $$^{63}$$Ni migration through crushed rock media

田中 忠夫; 坂本 義昭; 向井 雅之; 前田 敏克; 中山 真一

Radiochimica Acta, 92(9-11), p.725 - 729, 2004/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:10.03(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

国際腐植物質学会から提供されているNordicフミン酸及びフルボ酸を0$$sim$$30mg/l共存させた条件下で、粉砕した花崗岩及び凝灰岩を充てんしたカラム中における$$^{63}$$Niの移行実験を実施した。いずれのケースでもカラムを透過するNiの量は、腐植物質濃度が高くなるに従って増加した。カラムを透過するNiの割合は注入液中で腐植物質錯体を形成しているNiの割合に対応しており、カラムに注入した腐植物質錯体がそのまま流出したことを示唆する結果を得た。カラムを透過するNiの移行は、水溶液中におけるNiと腐植物質の錯形成と解離の速度を考慮した移行モデルを適用することによって説明できた。

論文

Migration models of neptunium and americium in groundwater under the present condition of humic substances

田中 忠夫; 坂本 義昭; 澤田 博司; 小川 弘道

JAERI-Conf 2003-010, p.134 - 141, 2003/09

地層中における放射性核種の収着性及び移動性に及ぼす可溶性天然有機物の影響について研究した。本研究では、国際腐植物質学会から提供されているNordicフミン酸を共存させた条件下で、粉砕した花崗岩中におけるNp(V)及びAm(III)の移行実験を実施した。Npの場合、カラムからの破過曲線におけるNp濃度の経時変化及びカラム内を透過するNpの移行速度は、フミン酸の共存による影響を受けなかった。一方、Amの破過傾向は共存するフミン酸濃度によって影響を受けることがわかった。カラムシステムを透過するAmの移行は、フミン酸とAmの錯生成反応の非平衡状態を考慮した移行モデルを適用することによって説明できた。

論文

金属イオンと錯形成する腐植物質官能基のATR-FTIR法による${it in situ}$分析

田中 忠夫; 坂本 義昭; 小川 弘道

原子力バックエンド研究, 9(1), p.29 - 34, 2002/09

金属イオンとの錯形成に関わる腐植物質官能基についての情報を赤外吸収スペクトルから得るため、ATR(Attenuated Total Reflection)法を用いることにより、水溶液に溶存させた状態での赤外吸収スペクトル測定について検討した。ATR法により、金属イオンとの錯形成によって腐植物質の赤外吸収スペクトルに生じる変化を確認できた。また、粉体試料を用いる従来の赤外吸収スペクトル測定では困難であった錯形成速度についての情報,pHや元素濃度など液性の変化に呼応した官能基の情報が取得できた。これらの結果から、錯形成に伴う腐植物質官能基の状態変化に関する赤外吸収スペクトル情報を${it in situ}$で得るために、ATR法が適用できる可能性が見いだされた。

論文

事故地域における河川水中放射性核種の溶存形態

松永 武; 長尾 誠也*; 武田 聖司; 上野 隆; 天野 光

第43回環境放射能調査研究成果論文抄録集,平成12年度, p.49 - 50, 2002/03

水環境における放射性核種の移行挙動の理解を進める目的で、チェルノブイル原子力発電所近傍の地域において、チェルノブイル事故により放出された放射性核種の河川水中の溶存形態について研究した。限外ろ過の手法を適用した野外環境での観測結果と、溶存化学種に関するモデル計算の結果、水中に溶存する$$^{239,240}$$Pu,$$^{241}$$Amについては、高分子量の溶存有機物との錯体形成が、それら核種の溶存形態に大きな役割を一般に有していることが示唆された。

論文

Degradation characteristics of humic acid during photo-Fenton processes

福嶋 正巳*; 辰巳 憲司*; 長尾 誠也

Environmental Science & Technology, 35(18), p.3683 - 3690, 2001/09

 被引用回数:135 パーセンタイル:92.77(Engineering, Environmental)

陸域環境に存在する高分子電解質の有機物である腐植物質(フミン酸とフルボ酸)は、放射性核種や微量元素の土壌中での移行あるいは土壌から河川への移行動態を支配する要因の1つと考えられている。そのため、腐植物質の特性を把握し、微量元素との錯体特性あるいはその安定性を調べる必要がある。本研究では、光照射によるフミン酸の安定性及び分解されるフミン酸の構造特性を各種の分析法により検討した。なお、光照射の効果を促進させるために、鉄と少量の過酸化水素を添加した。5時間の光照射の間に、(1)フミン酸の有機炭素濃度と紫外域の吸光度は光フェントン反応により最大20%減少、(2)フミン酸の分子量が照射時間の増加にともなって低分子側へシフトした。また、光フェントン反応時において、添加した鉄はフミン酸の高分子部分と選択的に錯形成していることが明らかとなった。以上の結果は、フミン酸の高分子部分が鉄と錯形成することにより、光照射によるフミン酸の分解が高分子部分で選択的に進行したことが考えられる。

論文

Reactivity between humic substances isolated from groundwater and metals by three-dimensional fluorescence spectrometry

今中 麻幸代*; 長尾 誠也; 中口 譲*; 山口 善高*; 鈴木 康弘*; 村上 雅洋*; 平木 敬三*

Proceedings of International Conference on the Biogeochemistry of Trace Elements (ICOBTE2001), P. 662, 2001/00

高分子電解質の有機酸である腐植物質は天然水中に存在し、微量元素との錯形成能が高いために、微量元素の移行性及び分布状況に関与していることが報告されている。したがって、微量元素の移行動態を把握するためには、腐植物質との錯体の特性を検討する必要がある。本研究では、限外濾過法と3次元蛍光分光法とを組み合わせ、銅と地下水フルボ酸との錯体の特徴を分子サイズの観点より検討した。銅とフルボ酸を共存させた場合、フルボ酸の蛍光ピークの強度は約70%減少した。銅の添加前後でフルボ酸の分子サイズはそれほど大きな違いは認められないが、分子サイズ1万以下の画分の蛍光強度は70~80%減少した。添加した銅の大部分はこれらの分子サイズに存在したことから、フルボ酸の蛍光消光は主に分子サイズ1万以下の低分子の構成有機物と銅との錯形成により起こることが明らかとなった。

論文

The Migration behavior of Np(V) in sandy soil and granite media in the pressence of humic substances

坂本 義昭; 長尾 誠也; 小川 弘道; Rao, R. R.*

Radiochimica Acta, 88(9-11), p.651 - 656, 2000/09

 被引用回数:11 パーセンタイル:59.85(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

放射性廃棄物の処分に際しては、アクチニドの地中での移行挙動を把握することが重要となる。この移行挙動は地下水に溶存している腐植物質の影響を受けることが知られている。本研究では、アクチニドの中で重要なネプツニウムを取り上げ、砂質土壌及び粉砕した花崗岩を詰めたカラム中での移行挙動に及ぼす腐植物質の影響について調べたものである。その結果、砂質土壌及び花崗岩の両者において、分子量の小さい腐植物質(フルボ酸)を添加した場合には移行が促進されたが、分子量の大きな腐植物質(フミン酸)を添加した場合には移行が遅くなる現象が観察された。これらの結果は、腐植物質自身の土壌等への吸着性能の違いなどを反映しているものと思われ、腐植物質のネプツニウムの移行挙動への影響は、その種類により異なることを明らかにした。

論文

三次元励起・蛍光光度法による淀川水系中の蛍光物質の特徴

鈴木 康弘*; 中口 譲*; 平木 敬三*; 長尾 誠也; 工藤 充雄*; 木村 宗人*

地球化学, 32, p.21 - 30, 1998/00

本研究では、地層における放射性核種の移行挙動の支配因子の1つと考えられている腐植物質の特徴を調べる方法として、腐植物質の構造、官能基等の情報が得られる3次元蛍光スペクトルに着目し、天然水の腐植物質を濃縮することなく直接測定する方法の妥当性及び定量性を検討した。地下水の腐植物質の特徴に比較的良く似ている河川水試料に適用し、濃縮した腐植物質の測定結果と比較した。その結果、直接測定した河川水試料には2つのピークが検出され、濃縮した河川水腐植物質のピーク位置とほぼ一致した。また、採取地点により検出されるピークの蛍光強度が溶存有機物の有機炭素濃度と同様な変動傾向を示すことから、腐植物質は溶存有機物の大部分を占め、ピークの蛍光強度は腐植物質の濃度を反映していると考えられる。以上の結果は3次元蛍光スペクトルの直接測定法の有効性を示唆するものである。

論文

三次元分光蛍光光度計による天然水腐植物質の蛍光特性の直接測定法

長尾 誠也; 鈴木 康弘*; 中口 譲*; 妹尾 宗明; 平木 敬三*

分析化学, 46(5), p.335 - 342, 1997/00

天然水の腐植物質は重金属、超ウラン元素及び疎水性有害有機物のキャリアまたはトリハロメタンの前駆物質と考えられている。本測定法は、天然水に存在する腐植物質の蛍光特性を濃縮することなく簡易に測定するためのものである。天然水をグラスファイバーフィルターでろ過後、3次元分光蛍光光度計により腐植物質の蛍光特性を測定した。天然水の化学特性のうち、腐植物質の蛍光スペクトルに影響を及ぼす腐植物質濃度、pH及びイオン強度について検討した結果、陸水(腐植物質濃度0.5~10mg/l、pH6~9、イオン強度0.04M以下)及び海水(イオン強度0.75M)に適用可能であることがわかった。本測定法を河川水、湖水、湖底堆積物間隙水に適用した結果、これらの天然水腐植物質の3次元励起-蛍光スペクトルには、土壌フルボ酸に相当するピークが検出された。

論文

Speciation of Cs,Sr and transuranic elements in natural organic substances of surface soil layers

天野 光; 渡辺 美紀*; 小沼 義一*; 上野 隆; 松永 武; N.D.Kuchma*

The Role of Humic Substances in the Ecosystems and in Environmental Protection, 0, p.709 - 716, 1997/00

表層土壌天然有機物質中におけるCs、Sr及び超ウラン元素の存在形態を、化学的分画手法を用いて、チェルノブイル周辺の草原及び森林土壌について調べた。チェルノブイル周辺環境では放射性核種は、表層土壌天然有機物中に多く存在している。草原土壌ではPuはフルボ酸よりフミン酸画分に多くみられたが、Amはフルボ酸とフミン酸画分では同程度であった。SrやCsはこれらの画分にはほとんど存在していない。森林土壌では表層有機物の腐植の進んだ順に、AoL、AoF、AoH層についてPu、Am、及びCsについて調べた。その結果核種の存在割合は層によって変化し、腐植が進むにつれPuでは主に非晶質鉄酸化物画分と結合型フルボ酸画分に、Amでは粘土鉱物画分と結合型フルボ酸画分に多く存在する。Csは腐植が進むにつれヒューミンの画分が減少し、粘土鉱物画分が増加することが分かった。またCsではホットパーティクルの画分も依然多く存在していることも判明した。核種の移動性との関連についても論ずる。

論文

5 years research project between RIAP and JAERI on secondary migration of radionuclides in terrestrial and aquatic environment; Some preliminary results

天野 光; 松永 武; 上野 隆; 小沼 義一*; 渡辺 美紀*; 柳瀬 信之; 長尾 誠也; Sukhoruchkin, A. K.*

Proceedings of 5th International Scientific and Technical Conference on the Problems of Liquidation of Chernobyl Accident Consequences, P. 74, 1996/00

チェルノブイル事故炉周辺30km圏内の地表面環境における放射性核種の2次的移行に関するRIAPとJAERIとの5年間の共同研究が1995年4月より開始した。本研究は超ウラン元素を含めた長半減期放射性核種の地表面環境における存在状態とそれらの移動性の解析に焦点をあてる。特に地表腐植物質や土壌中に含まれる放射性核種の化学的存在形態とそれれの移動性、河川による流出や再浮遊による移行の特徴、それらの定量的把握を目的とするものである。これまでの選択的抽出法を用いた測定及び解析から、地表有機物と土壌について、フミン酸やフルボ酸の成分にはPuやAmが存在すること、Sr-90の主要部分はイオン交換成分として存在すること、AmはPuより溶出されやすいこと、等が分かった。また、河川水中溶存放射性核種の大部分はSr-90で、Cs-137については懸濁態での流出が支配的であった。

論文

海岸砂中における$$^{85}$$Srの吸着・移行挙動への共存フミン酸の関与

田中 忠夫; 向井 雅之; 妹尾 宗明

放射性廃棄物研究, 1(2), p.169 - 176, 1995/05

地質媒体中における放射性核種の吸着・移行挙動に及ぼす腐植物質の影響を明らかにするため、フミン酸を共存する条件下において、海岸砂を対象とした$$^{85}$$Srのバッチ法吸着実験及びカラム法移行実験を実施した。フミン酸を共存する液相中においては、砂への吸着親和性が小さな$$^{85}$$Sr-フミン酸結合体が形成された。しかしながら、その結合力は$$^{85}$$Srと調整砂との吸着親和性に比較して著しく小さいため、バッチ法吸着実験で測定した$$^{85}$$Srの分配係数はフミン酸共存の影響を受けなかった。一方、カラム法移行実験ではフミン酸結合体の解離過程が平衡に達しないので、一部のフミン酸結合体が深部へ移行することにより、$$^{85}$$Srの移行の増大がみられた。フミン酸共存下における$$^{85}$$Srの移行挙動は、フミン酸結合体の解離速度を考慮した移行モデルを用いて評価できることが示された。

口頭

電気化学測定を用いた堆積岩系深部地下水腐植物質の酸化還元特性評価

斉藤 拓巳; 寺島 元基; 大貫 敏彦

no journal, , 

堆積岩系深部地下水より抽出・精製された腐植物質の酸化還元能をメディエーターを用いたバルク電気分解およびサイクリックボルタンメトリーにより評価した。通常、腐植物質の電極反応は遅いが、適切なメディエーターを用いることで、可逆的な電流電圧曲線が得られた。腐植物質の酸化還元容量は芳香族性と高い相関を示し、深部地下水中の腐植物質の酸化還元容量が表層の腐植物質よりも小さいことが明らかになった。

口頭

堆積岩地域の深部地下帯水層における溶存有機物の性質

伊藤 由紀*; 大山 隆弘*; 宮川 和也; 笹本 広

no journal, , 

地下深部の地質環境を調査・評価するための技術や手法の開発・高度化は、地層処分技術の信頼性を向上する上で重要である。電力中央研究所と日本原子力研究開発機構では、幌延深地層研究センターの地下施設を利用した共同研究の一環として、堆積岩中の深部地下水中に溶存する有機物(DOM)の物理化学的性質を把握するための調査技術開発を進めている。本研究では、幌延地域の堆積岩中地下水を一例に、深部地下水中の腐植物質を含むDOMの極性分画および3次元蛍光分析を行い、DOMの物理化学的特性と深度や塩分濃度との関係について考察することを目的とした。その結果、幌延地下水のDOMは、深度による腐植物質の相対量の差は小さいものの、深部ほどフルボ酸に富み、深度や塩分濃度により微生物影響の度合いが異なることが示唆された。

口頭

Effects of microbial activity and coexisting cation on association of selenium with humic substance in deep groundwater

寺島 元基; 天野 由記

no journal, , 

深部地下水中における腐植物質(HS)とセレン(Se)との会合における微生物および共存陽イオンの影響を、培養試験、DAX-8抽出、SEC-ICP-MS分析から調査した。培養試験の結果、地下水に添加したSe(IV)は、栄養剤によって活性化された微生物活動により、Se(0)に効果的に還元した。DAX-8抽出処理により、HSとともに抽出されるSeが存在することを確認した。DAX-8からのアルカリ抽出成分のSEC-ICP-MS分析の結果は、Se, HS, Feのクロマトグラムが良く一致することを示すとともに、地下水の滅菌の有無に関わらず、それらのクロマトグラムが得られることを示した。以上の結果は、深部地下水中において、Seは、Feとの相互作用を通して、HSと会合する可能性を示唆している。

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